黒い砂漠に足を踏み入れてから3年が経った…
冒険を始めてから実に3年の時が経った。古のデゼルトである
シヴァと妹シーネは、古代守護者の使命を受け入れながらも
己の強さを求めながら旅を続けた。そして、各地で様々な変化が現れた。
黎明の騎士団の存在、星の墓場から現れた黒き星、囁かれる黒い太陽、
カーマスリビアに隠された血の粛清、アヒブの暗躍、国家戦争の再来…
黒い砂漠にはこれからも多くの変化が表れていくだろう。
そしてその変化は、兄妹の絆にも影響を受けていた。
闇を求めるようになったシヴァ、それを追いかけようとする妹。
果たしてこの二人の運命は、古代エダナの求める未来に辿り着くのだろうか。
師の意志を継ぐ伝承
妹シーネの戦い方に迷いがあった。重い槍と盾を担ぐように、
エダナの使命を重く感じるようになったからだ。人はそれぞれの概念を
抱き、それを否定する事が果たして正義なのか。ふと思い立ったシーネは
その答えを尋ねたいが為に、行方不明になった師を探す事となった。
だが師とは呆気なく出会えたのだ。喜びに浸るシーネだったが、果たしてこれが己の求めていた理想なのか、改めて問いた時には既に師の姿は無かった。
イレズラだったのだ。己の人生を大きく変えたイレズラが、シーネの師に
偽っていたのだ。激昂したシーネはイレズラを迎え撃とうとしたが、
イレズラは一つの影を残して消えていった。その影は、師"デュアン"だった。
一つ一つの剣捌きはまさに師の動きだった。まさかこの影が……。
シーネは涙を堪えながらその影を討ち取った。
『師匠、私は今…貴方を越えました…!私は師匠の遺した剣捌きを
今またここで再現してみせます。そして必ず…敵を討ちます…!』
闇の侵食を受け入れるシヴァ
シーネが伝承を継いだ後日の事、シヴァの目の前に突如イレズラが現れた。ブラックストーンやブラックスターを取り込む体質を持つシヴァは、イレズラに非常な関心を持たれていた。「私の贈り物を受け取ってくれないか?」魔女が手にしていた黒い石が、空中を飛んでシヴァの体に取り込まれてしまった。異常を感じたシヴァはなんとか逃げ切るも、体の半分が真っ黒に染まり、シーネの前にて力尽きてしまう。ピリーの錬金ギルドに看病されている間、シヴァは闇の夢に囚われていた。夢の中に現れたのは、黒い姿をした己自身。だがその正体はベルモルンだった。イレズラの黒い石はシヴァの闇の呪いをさらに増幅させ、ほんの僅かであったベルモルンの意思がシヴァの中で復活してしまったのだ。ベルモルンの目的は二つあった。一つは『シヴァの魂を砕き、自らと共に融合する事』、もう一つは『イレズラの討伐』だった。
『私は知っている、お前は闇を持って闇を制すると。
だからこそ私と協定を組むべきだ。悪くない話だと思わないか?』
互いに違う使命を背負った二人だが、共に歩んできた兄の様子に
不安を感じる妹シーネ。闇を浄化する力を持つシーネだが
闇を受け入れる事を信念とするシヴァを説得する事ができなかった。
このままでは本当に闇の王として君臨し、エダナの理想とは真逆の
未来になってしまうのではないか……。
一方シヴァは、ベルモルンと組むつもりはないと否定した。
だがどの道イレズラを対処せねばならない。ベルモルンの闇を
利用しつつ、魂をより強靭に鍛える為にはどうするかを考えた。
そして一つの結論に辿り着く、不死の錬金術師カプラスの存在だ。
アヤツならば、より強い闇を制御できる術を持っているの
ではないかと……。
平穏を望む妹、より強い力を求める兄
この兄妹の絆が、黒い砂漠に走る激震と共に揺さぶろうとしている…